「商店街環境問題循環型街づくりシステム調査研究委員会」

2001年6月20日 水曜日

研究会

全国的に中心市街地活性化に向けた取り組みが行われている中、商店街では商業だけでなく、情報化、福祉、高齢者対策、教育をはじめ異なった分野との連携で新しい活動が求められてきています。

こうした中、高梁栄町商店街振興組合・高梁商工会議所は合同で、環境問題をテーマに地域や消費者との連携を調査研究していこうと、平成13年6月7日(木)午後3時、高梁商工会館で、第1回「商店街環境問題循環型街づくりシステム調査研究委員会」を開催しました。

同事業は、当日は委員12人が出席、栄町商店街(振)八木理事長の挨拶、事業制度の説明の後、専門委員の街づくりデザイン研究所代表田中道雄氏(前吉備国際大学教授)より事業推進に向けてお話をいただきました。

田中先生には「全国的に商店街で、空缶、ペットボトル回収をはじめ、環境リサイクルに関する事業が行われてきたが機能していないところも多い。それは最初に行った早稲田商店街等の成功事例を真似しただけで、必ずしもその地域性とマッチした事業展開が行われてないからだ。
また、コミュニティビジネスは、都市化された個人が自立した地域で、NPO等と係わりながら実施しないと効果が出にくい。高梁の場合、都市型のコミュニティビジネスではなく、共同体としての事業が合っていると感じている。

栄町商店街で空き店舗を改装したギャラリーで吉備国際大学ボランティア学科と連携し、今年2月から毎月実施している「手作り遊び教室」は、新しい形の、高梁らしい取組みだと思う。高梁再発見委員会で市街地の街づくりを提案しているが、市街地全体の中での栄町の特徴を出し、栄町らしさを追求していくことが重要だ。アクションのある「手作り遊び教室」に環境をプラスしていけば、都市部の商店街にもできない、高梁ならではの取組みになるだろう」とお話いただきました。

意見交換では、「商店街と環境問題が関連するのは面白い」「商業とリサイクルが合致するだろうか」「空き缶回収など環境リサイクル運動では、商店街でもピンとこないのでは」「地元で取れた農作物を地元で消費できないか…同じく地元で消費した物を地元でリサイクルする方法も検討しては」「空き店舗を利用し朝市や夕市を行っては」、「手づくり遊び教室に合わせて、夕方に野菜市を行っては」など、活発な意見が出されました。

最後に、田中先生が「環境問題は、お店と主婦が同じ共同主体になれる面白いコンセプトにできるだろう。ただ、空き缶回収などのリサイクルに留まらず、学生、農業(食と農、生産者と消費者)、等が商店街を舞台にうまく連携し、世代間交流を行い多くの市民、学生と商店街がお互いに循環していくシステムを考えていく事業にしていこう」とまとめられました。今日の意見を取り入れ、1年間環境問題に注目し、商店街で循環型街づくりシステムを考えるための調査研究を実施していく予定です。