西村邸

西村邸
幕末慶応(1865~1868)ごろの豪商の中に、下町川手の北角にある酒屋・葛籠屋喜三郎の名が見える。この葛籠屋が西村家で維新の頃は酒造業を営んでいた。

明治12年(1879)、西村喜三郎は本業のかたわら、第86国立銀行(後の中国銀行)の設立に参加し、取締役に就任した。後に酒造業を廃業して頭取になり、息子の鶴太郎もあとを継いで銀行家となった。

現在の西村邸は、敷地面積約300坪(約1,000㎡)、母屋と離れ、蔵3棟がある。有名な3階の建物は、離れにつながる建築物で、3階は8畳1間、欄干つきの廊下が西と南と東をめぐる。2階は床の間つきの6畳、1階は茶室と通路である。古いのは蔵で140年ほど前(嘉永年間)に建てられたものがある。


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