「コンピュータ西暦2000年問題対応セミナー」を開催

1999年4月26日 月曜日

 高梁商工会議所と中小企業事業団は合同で、4月26日(月)午後2時、高梁国際ホテルにおいて「コンピュータ西暦2000年問題対応セミナー」を開催いたしました。
 当日は、40人が参加、講師にお招きした中小企業事業団情報化推進アドバイザー・脇山修一氏から「コンピュータ西暦2000年問題・中小企業におけるこれからの危機管理対策」について講演をいただきました。
 
 脇山先生には「コンピュータ西暦2000年問題とは、西暦年を下2桁で処理することによるコンピュータの処理上の問題で、2000年は「00」で表記されるため1900年と判別がつかなること。2000年1月1日は、1900年1月1日と処理され、過去の日付でエラーとなり、日付設定不可能や期間計算に誤差が生ずる訳だ。対応しないと、業務処理で①請求漏れの発生②仕入れ、在庫、出荷等のシステム連携の不能③発注不能④決済不能など社内業務や対外取引業務処理に混乱が生じる可能性がある。広くは、飛行機、JR、水道、ガス等社会インフラの1部の混乱も予想されている。要するに、2000年問題は、コンピュータの問題でなく、企業の問題だ。2000年問題に対応していない企業は取引からはずすなど自社だけの問題でなく、信用問題につながっている。

 中小企業の対応の遅れは、経営トップの認識不足、予算確保の遅れ(付加価値を生まない保守作業に多額の費用を要し、経営トップを説得できない)、コンピュータ会社に任せきりで、ドキュメント等が整備されていない、社内全体のシステムのわかる人が少ない等が要因であり、経営者として対応の第1歩は、問題への対応を宣言し、社内に率先して啓蒙すること。そして実行責任者を指名し、必要経費を工面することが重要だ。実際の作業手順としては、①準備②対応状況調査③方針決定④修正・再構築⑤テスト⑥本番移行の順であり、同時にどのくらい手間と時間がかかるのか作業工数算出要素も重要となる。そして、マイコンを搭載している機器を使用している企業も多く見られるが、こうした機器にもコンピュータ西暦2000年問題が起きる可能性があることを認識しておく必要がある。

 また、こうした対応の完了にかかわらず、万が一の事態が発生した時に、冷静に取るべき対応を準備・確認し、会社の業務を継続できるよう「危機管理計画」の作成が必要だ。2000年問題は必ずくることがわかっている問題で責任逃れができない。問題がおきれば契約上の問題に発展する可能性もある。問題が起きたとき、自社としてここまで対応していたと言う証拠が必要になる。そのためにも「危機管理計画」の作成が重要となる訳だ。
 2000年問題は企業の存続にも係わってくる経営問題。2000年問題を契機に、現行システムの不都合を改善し、新しい技術を導入した最新システムを実現し、システム改善を図る。さらに新しい情報システムで企業信用の強化を図る。そして生産性向上のため社内体制の強化を図り、2000年問題を、経営強化につなげて欲しい。」とお話いただきました。