平成9年度活動
4月 《交流新時代97 「中四国城下町六カ国サミット」》 基調講演「城下町の連携に期待する」 講師 東京大学教授 西村幸夫氏 「パネルディスカッション」コ-ディネ-タ- 東京大学工学部 教授 西村幸夫氏パネラ- 松江市伝統美観地区審議委員 審議委員 寺本和雄氏 米子工業高等専門学校建築課 助教授 熊谷昌彦氏 高梁市観光協会 会長 中本淳爾氏 岡山城築城400年関連事業推進協議会ソフト事業 委員長 岡将男氏 (社)丸亀青年会議所 特別顧問 大林建夫氏 高知県立坂本龍馬記念館 館長 小椋克巳氏
4月《道路公団高梁工事事務所と懇談会》
4月《まちづくり講演会》(青年会議所主催、協力) 「まち並の変遷史とこれからの展望について」 講師 明治大学理工学部 助教授 小林正美 氏
6月《こうち元気者交流会総会へ参加(高知市)》
6月《バロック音楽の夕べ(高梁市青年経済講義会主催)・共催》 岡山県内最古の高梁キリスト教会で 四国フィルハ-モニ-4人による「バロック音楽コンサ-ト」(高知と交流)
6月《長浜市(滋賀県)視察研修》
7月《まちづくり講演会・地区懇談会・交流会(協力)》 「高梁市の町並みについて」 講師 明治大学理工学部 助教授 小林正美 氏
9月《土佐出前市・愛らぶ高梁ふれあい広場(共催)》 こうち元気者交流会・高知県の物産市 共催9月《まちづくり塾》 「まちづくりの発想」講師 法政大学名誉教授・地域政策プランナ- 田村明氏
10月《小堀遠州の世界97》 遠州茶会 茶道遠州会・茶道表千家 頼久寺 遠州学 「遠州の人物像と文化」 講師 茶道遠州会本部 理事長 高尾宗岳氏 「備中と小堀遠州」 講師 岡山県郷土文化財団 参事 人見彰彦氏 「遠州の庭園」 講師 名古屋造形短期大学 非常勤講師 野村勘治氏 ガ-デンコンサ-ト 頼久寺 バイオリニスト 佐藤真理子さん (倉敷管弦楽団コンサ-トマスタ-) ギタリスト 徳武政和さん パラレルガ-デン 岡山県立大学短期大学部関先哲助教授 による作品展。
庭園を持つ書院建築の特性を生かした 木版画・フレスコ画によるインスタレーション。
11月《まちづくり塾》 「交流と地域づくり」
講師 早稲田大学教育学部 教授 宮口とし廸氏
11月《長浜市・小堀遠州の世界参加》 滋賀県長浜市並びに浅井町「五先賢の館」
1月《たかはし桜守の会・講演会》 「桜の育て方」 講師 樹木医 国忠正美 氏
3月《高梁再発見委員会参加・交流会》 「歴史を生かしたまちづくり」 講師 東京大学工学部 教授 西村幸夫 氏
3月《たかはし幕末を知ろう会設立》
3月《たかはし幕末を知ろう会・板倉家家紋幟旗作成・PR》
3月《NHK岡山放送局訪問・要望書(署名)を提出》 「幕末を知ろう会」 板倉勝静を大河ドラマに登場するよう要望
3月《中四国山海交流会議参加》 高知県本山町
「交流新時代・中四国城下町六カ国サミット」
高梁地域づくり交流会(小野貫治実行委員長)高梁商工会譲所(共催)では、岡山自動車道の開通を記念し、4月5日(土)午後2時から、高梁市総合福祉センターにおいて「交流新時代・中四国城下町六カ国サミット」を開催致しました。今回のサミットは、中四国横断道全線開通で、地域連携の気運が高まる中、地域の持つ最大の資済・下町をキーワードに、各地の歴史を生かしたまちづくりの紹介と具体的な地域連携を許し合おうと企画したものです。
当日は中四国地域から約200人が参加、小野実行委員長の挨拶の後、高知市長、米子市長のメッセージが、高梁と地域づくりで交流を続けている土佐出前市GO志の会・塩井政利代表、米子商工会演所青年部理事・野披裕一氏により披露され、小野実行委員長(高梁)、塩井さん(高知)、野坂さん(米子)の3人による堅い握手で暮をあけました。
第1回たかはし町並み 建築デザイン賞表彰式続いて、第1回たかはし町並み建築デザイン賞の表彰式を行い、同選考委員長の東京大学工学部教授西村幸夫先生から、同デザイン賞の経過報告と審査の講評の後、施主の部、設計・施工の部の受賞者一人一人に、西村選考委員長から表彰状が手渡されました。西村先生は「受賞された建物が、今後の高梁の建築デザインの指針になることを期待している」と受賞者を称え、町並みの景観にマッチした建築に努力された受賞者の全員に会場から大きな拍手が贈られました。
そして、東京大学工学部教授西村幸夫先生より「城下町の連携に期待する」をテーマに講演をいただいた後、西日本中央連携軸の沿線の城下町、松江(出雲)、米子(伯者)、高梁(備中)、岡山(備前)、丸亀(讃岐)、高知(土佐)の六カ国からまちづくりのリーダーを招きパネルディスカッションを行いました。
「城下町の連携に期待する」まず、講師にお招きした東京大学工学部教授西村幸夫先生より「城下町の連携に期待する」をテーマに講演をいただきました。西村先生には「日本の城下町は、1500年代後半から1600年始めの20~30年間の大変短い期間にほとんど建設された。中世の城は別として、お城をつくる大きな流れは、日本の歴史の中で50年位の期間。現在そのほとんどが市となり、県庁所在地もほとんどが城下町で、その後の日本の大都市を支えてきた都市構造の基礎となっている。
また、城下町は完全に計画された町、人がいないところに人を連れてきて、職業別に住まわせた。当時の町屋が日本の都市型住居の原型となっている。400年前の城下町を明治以降どう生かしてきたか都市によって違う。
そして、城をどう使ってきたか、駅の位置等、それぞれの町が、それぞれの舞台を踏んでいる。高梁は、古い町を壊さず、南の地区に新しい町の発展の可能性も開けるような良い位置に駅ができていると思う。
そういう目で見直していくと、それがおもしろさにもなり、これからの計画にもつながる。ほぼ400年の歴史の城下町は日本独特のもので、ある意味で兄弟のような町。
そんな町が現在、まちづくりで競争し、どう知恵を出しているかが今日の課題。自分の地域がどんな意図でつくられたのか、今回のサミットは、南北軸の兄弟の町同士がもう一回町を見直し今後のまちづくりを進める良い契機になることを期待している」とお話しいただきました。
パネルディスカッション続いて、西日本中央連携軸の沿線の城下町、松江(出雲)、米子(伯者)、高梁(備中)、岡山(備前)、丸亀(讃岐)、高知(土佐)の六方国からまちづくりのリーダーを招きパネルディスカッションを行いました。
テーマ 「南北軸沿線城下町の市民レベルの交流と連携を」出雲松江・松江市伝統美観地区審議会委員 寺本和雄氏「伝統美観地区は20年前制定され、建物の増改築を、審議会でチェックし、お願いという注文を出してきた。元々は12カ所位が指定の議論の対象だったが、結局現在の2カ所が指定。20年前に頑張ってもっと範囲を広げておけばよかったと思う。
また、城山公園は、櫓、門を復元してきた。しかし、テニスコート、図書館など市民には親しまれていた施設がなくなり、観光客は増えたが市民は来なくなったことが残念だ。また、高梁では生活、景観が大きなテーマになるだろう。
デザイン賞表彰も8年度10件だが10年続くと100件になる。町中デザイン賞の建物で埋めてほしい。」伯耆米子・米子工業高等専門学校建築家 助教授 熊谷昌彦氏「松江は伝統を守った町、米子は信統でしばられない町。城の再建についても賛否両論あり、必ずしも城下町そのものにこだわらなくても艮いのではないか。
また、町を残す場合、景観はよくなっても生活は不便になる。はり納得いく理由と条件整備が必要。米子は様々な人が逃げて最後に集まってきた町。
他の町を知っているからこの町をこうしようと言える面も。交流は道ができたからだけでなく、他の町を見て、自分の町を再発見する機会として考える。
高梁も、大学という異質な方々を吸収しながら町を再発見して町づくくりに生かしていければ。このサミットが連携軸の中で相互の都市の発展する方法論としていい機会を与えていただいた。」備中高梁・高梁市観光協会会長 中本淳爾氏「高梁は、大学開学でマンションが建ってきた。今後古いものと新しいものをうまく調和して行かないといけない。また、来年の大河ドラマ「最後の将軍」の徳川慶喜の時、備中松山藩主板倉勝静は内閣総理大臣だった。
今まで朝敵であり、歴史的におさえつけられてきたが、先人は反発し、がんばってこられた。現代の私達ももっとがんばらなければならない。松江や高知は、歴史的にも交流がある。道路を使ってお互いに行き来し自分の町だけを考えるのだはなくて、もっと輪を広げていくことが必要。
大学の学生、先生方とも市民と一緒にまちづくりに取り組んでいきたい。」備前岡山・岡山城築城400年関連事業推進協議会ソフト事業委員長岡将男氏「岡山の城下町は、他の町から町人等を呼びまちづくりを行った。
京橋朝市も、広く県内に声をかけている。岡山だけでなく、交流・ネットワークを図り生きていくということも大切。古い建物を残すことだけでなく、まちづくりの発想、思想をいかしていくことが重要だ。また、都心空洞化は車が原因。
それを解決する切り札が路面電車。狭い町に車を入れないようにすればみんなが歩くようになり、駐車場ももいらない。自分たちの町は自分たちでよくするんだという市民運動をやっていかないと地域は良くならない。
今回のサミットは、南北軸沿線の城下町の中で一番小さな町高梁で開催している、そして一番大きな町が岡山だ。高梁に負けないよう頑張りたい。」讃岐丸亀・(社)丸亀青年会議所地区別顧問 大林建夫氏「丸亀城は町のどこからでも見える町のシンボル。
しかし普段市民はあまり行くこともなく城下町に住んでいるという意識がなくなってきている。JCで私も多くのイベントに取り組んできたが文化庁の規制が厳しすぎる。文化財は守って行かなければならないが、市内外にPRしていくことも大切ではないか。
城を舞台にしてイベントを行い市民にお城を注目してもらえる活動を今後も取り組みたい。情報化時代の中でも、あいつに頼まれたら仕方ないということがネットワークの基本。
顔の見える交流、おまえおれといえる関係が大切。今回を機会に私も皆さんの仲間に入れていただきたい。」土佐高知・高知県立坂本龍馬記念館長 小椋克己氏「高知県立坂本龍馬記念館は昭和60年の龍馬生誕150年を記念し高知商工会議所青年部が6年で8億の募金を集め、高知県が2億を加え開館した。
このエネルギーはまさに地域メセナと言えるだろう。そして5年間で74万人が訪れ、多々の方に龍馬を知っていただいている。
こうした面では歴史を生かしたまちづくりに役立っているのでは。私も館長となり龍馬のことが説明できるようになった。同じように、高梁ってどんな町、城下町の良いところなど聞かれたら、すぐに答えられなければならない。
南北軸には幸いこんな良い城下町が並んでいるので、自分の町が終わったら憐の町へ、また次の町が説明できるように。
こうした身近なことから市民レベルの連携がとれるのではないか。」コーディネーター 東京大学工学部教授 西村幸夫氏「城だけでなく、町、生活、さまぎまなものに目を向けていくことは自分の町を好きになることにつながるのでは。そしてそういう目で他の町のことも見ることができるようになれば、そこから新しいまちづくりが開けてくる。
本日はおもしろい討論ができた、これは高梁の方々がこうしたネットワークを持っているからであり、南北軸沿線6都市の中で一番小さな高梁で実現できる財産を持っている。今日のサミットがまさに次の時代、交流新時代への出発点になることを期待している。
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