第1回「情報化講演会」

1997年11月22日 土曜日

高梁地域情報化フロンティア事業「経営に活かす情報化」
岡山商科大学田中助教授をお招きし、第1回「情報化講演会」を開催

高梁商工会議所と高梁商工会議所青年部(永井義朗会長)は、高梁地域情報化フロンティア事業の一環として、11月12日木午後7時より、高梁商工会館において、第1回「情報化講演会」を開催いたしました。

当日は、30人が参加、永井会長の挨拶の後、講師にお迎えした岡山商科大学商学部助教授田中潔氏より「経営に活かす情報化」をテーマに講演をいただきました。

田中先生には「商業は工業に比べ情報化が遅れている。商業の中でも情報化の優等生のコンビニが岡山でも苦戦している。それは、新規参入しやすいことに加え重要な点は、商業は生身の人間や商品を相手にしていること。例えば、コンピュータを駆使しても地方都市の深夜の来店客等は予想しにくい。物流の効率化には貢献しても人流や顧客満足には生かし切れてない。まだまだ情報化と商業はどう結びつくのか明確な答えは出ていないのが現状だ。

情報化の本当の難しさは、機器や仕組みではなくどのような用途に使用するかノウハウがないこと。今後どうビジネスに活かしていけるのか体験できる子とを通して人材育成が大切だ。商工会議所で商業者がいつでもインターネットを体験できる環境づくりや、吉備国際大学の情報分野の専門家との連携等情報ブレーンづくりも重要だ。インターネットで売れるモノは、ソフト、書籍、、限定商品や価格破壊的なディスカウント商品で、いずれも少量だが個性的な商品。

また、棚田米をはじめ、少量生産の農作物などのインターネットでの販売など、農家では情報化を積極的に取り入れている例もある。こうした点を特別な人と見ないで商業者も知っておくことが大切。

岡山情報ハイウエイ構想では、幹線が岡山~倉敷~高梁~新見の各地方振興局につながっている。この構想では、幹線とCATVと繋げようとしていることが全国的にも珍しい点。CATVは多チャンネルで専門的な番組も多く人気が高い。また、双方向性も重要でCATVに加入していれば電話代を払わなくてもとインターネットに接続できるようになるだろうし、加入者同士の(無料)電話への発展も考えられる。

高梁地域の情報化は、CATVとの連携が成功、不成功を決めると思う。将来的にはインターネット技術を利用して、テレビなどの家電品をはじめ家庭での通信網がより豊富になり、コンピュータを使うことは減ってくるだろう。高梁地域の商業者はCATVとの連携と共に地域と情報化についてさらに研究していただきたい」とお話いただきました。