頼久寺庭園(らいきゅうじ)

頼久寺 

 頼久寺天柱山安国頼久禅寺は、臨済宗永源寺派に属し、その草創は不詳であるが、暦応2年(北朝年号1339年)足利尊氏が再興して備中の安国寺と号した。

当時、中国より帰朝して備中備後路を巡 寂室元光禅師を迎請して、開山第一祖とした。後に永正年間(1504年)松山城主上野頼久公が大檀越となり寺観を一新し大栄元年逝去したので、頼久の二次を加えて安国頼久寺と寺号を改称した。
 
 庭園慶長5年(1600年)小堀新介正次が、備中国に1万石余を領したが、慶長9年に逝去したので一子作介政一(遠州)が遺領を継いだ。その頃の松山城は備中兵乱で非常に荒廃していたため遠州は頼久寺を仮の館とし、またよく本寺を外護され、元和5年(1619年)までこの地にいた。

本庭園はその頃の遠州の策定になるもので、蓬莱式枯山水庭園で愛宕山を借景し、白砂敷の中央に鶴島、後方に亀島の二つの低い築山状の島を置いて石を組み、書院左手の山畔に沿ってサツキの大刈込みで青海波を表現した庭園である。
 
 このような築庭様式は、桃山から江戸初期に好まれたもので、現在まで旧体のまま保存されていることは、歴代城主の帰依の念篤きことと、歴代住職の愛山の念深きよるものであって、遠州作庭の傑作庭園と称されており、昭和49年国の名勝(庭園)指定された。

尚、自筆の禁礼他遺愛品数点が保存されており、別に暦応2年12西念勧進による石灯篭がある。頼久寺 TEL(0866)22-3516


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